この記事では太陽高度と太陽方位角の考え方や計算方法について紹介をしていきます。太陽位置とはある地点のある時刻での太陽の位置のことですが、太陽位置は太陽高度と太陽方位角で定められます。

 

 

太陽高度とは?計算方法について

まずはじめに太陽高度からです。下の図をご覧ください。

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上の図のhが太陽高度です。太陽高度とは日没時にh=0となり、南中時(12時)にその日の最大の太陽高度(南中高度)となります。太陽高度は下の計算式にて求めることができます。

太陽高度の計算式

sinh = sinφ sinδ + cosφ cosδ cost

(h:太陽高度[°]、φ:ある地点の緯度[°]、δ:太陽赤緯[°]、t:時角(真太陽時)[°])

太陽赤緯δは下の表を参考にしてください。

太陽赤緯δ
1日 15日
1月 -23[°]3[‘]2[”] -21[°]13[‘]58[”]
2月 -17[°]16[‘]9[”] -12[°]52[‘]58[”]
3月 -9[°]48[‘]48[”] -2[°]22[‘]29[”]
4月 +4[°]18[‘]36[”] +9[°]33[‘]8[”]
5月 +14[°]53[‘]49[”] +18[°]43[‘]34[”]
6月 +21[°]58[‘]23[”] +23[°]17[‘]1[”]
7月 +23[°]8[‘]50[”] +21[°]37[‘]1[”]
8月 +18[°]9[‘]55[”] +14[°]14[‘]9[”]
9月 +8[°]29[‘]47[”] +3[°]15[‘]25[”]
10月 -2[°]57[‘]9[”] -8[°]17[‘]33[”]
11月 -14[°]14[‘]2[”] -18[°]19[‘]41[”]
12月 -21[°]42[‘]22[”] -23[°]14[‘]4[”]

上の表は1[°]=60[‘]=3,600[”]です。

 

時角tとは?

時角tとは、太陽などの天体の位置を表すものの一つです。調べたい天体と天の子午線とのなす角度のことです。時角tは下の式にて算出されます。

時角tの計算式

t = (th -12) × 15

(t:時角[°]、th:(地方)真太陽時[時:分])

地方真太陽時や地方平均太陽時などの時間の表し方については下の記事にまとめてありますので、そちらを参照してください。

地方真太陽時・地方平均太陽時・中央標準時の計算公式・求め方

 

上で紹介した太陽赤緯や時角を用いて太陽高度を算出することができます。

 

太陽方位角とは?計算公式について

次に太陽方位角についてです。

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太陽方位角とは、観測点Oと太陽を結ぶ直線の地表面への投射線と正南方向とのなす角です。太陽方位角は下の計算式で求められます。

太陽方位角Aの計算式

sinA = cosδ sint / cosh

cosA = (sinh sinφ – sinδ) / cosh cosδ

(A:太陽方位角[°]、h:太陽高度[°]、φ:ある地点の緯度[°]、δ:太陽赤緯[°]、t:時角(真太陽時)[°])

太陽方位角の計算には太陽高度を用います。また、太陽方位角を算出するときには注意点があります。太陽方位角の公式がなぜsinAとcosAの2つがあるかというと、一つだけでは太陽が東西南北のどの位置にあるか判断できないからです。sinAとcosAの符号でどの方位に位置しているかを判断する必要があります。下の画像をもとに太陽の方位角を計算してください。

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まとめ

この記事では太陽位置である太陽高度と太陽方位角についてまとめました。それぞれの概念や計算の仕方をぜひ理解し設計や問題を解く際に役立ててください。また、関連記事にある計算演習問題を解いて、算出するのを慣れておいてくださいね。

太陽位置(太陽高度・太陽方位角)と時角・真太陽時を求める計算問題

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。