この記事では太陽位置に関する演習問題を紹介します。太陽位置とは太陽の位置のことですが、太陽位置を決めるものとしては、

  • 太陽高度
  • 太陽方位角

などがあります。上の2つに関してまとめた記事がありますので、そちらの求め方・理解がまだの方は下の記事を参考にしながらこの記事を読んでいただけると一層理解が深まるでしょう。

太陽高度・太陽方位角の計算式・符号・求め方について

また、太陽高度や太陽方位角を求めるには、時間の概念である(地方)真太陽時を計算しなければなりません。真太陽時・中央標準時については下の記事で解説をしていますので、そちらを参照してください。

地方真太陽時・地方平均太陽時・中央標準時の計算公式・求め方

 

それでは早速問題に入っていきましょう。

 

問題1

6月1日の中央標準時で正午のとき、東京の真太陽時および時角を求めよ。6月1日の中央標準時と真太陽時の均時差は+2分18.4秒とする。

 

解説

では早速解説をしていきます。時角は太陽位置を求める計算に必要なので、この算出方法はぜひ理解しておいてください。

(地方)真太陽時thは下の公式で求めることができるのでした。

(地方)真太陽時の算出式

th = Tm + (L -135[°])×4 + e

(th:(地方)真太陽時[時:分]、Tm:中央標準時[時:分]、L:経度(東経)[°]、e:均時差[時:分])

上の式から東京都の真太陽時を求めます。東京都の経度は東経139.77[°]ですので、この値を用います。

th = Tm + (L – 135)×4 + e

= 12[時]0[分] + (139.77[°] – 135[°])×4 + 2[分]19.8[秒]

下線部の単位は[分]として計算をします。

= 12[時]0[分] + 19.08[分] + 2[分]19.8[秒]

= 12[時]21[分]24.6[秒]

= 12[時]21.41[分]

12.357[時]

 

次に時角を求めます。時角と真太陽時の関係は下の式で表現されます。

時角と真太陽時の関係

t = (th -12) × 15

(t:時角[°]、th:(地方)真太陽時[時:分])

先ほど求めた真太陽時の答え(=12.357[時])を上の式に当てはめて時角tを求めましょう。

t = (th – 12)×15

= (12.357 – 12)×15[°]

= 5.35[°]

 

解答

東京の真太陽時:12.357[時]

東京の時角:5.35[°]



問題2

問題1の場合の太陽位置(太陽高度hと太陽方位角A)を求めよ。6月1日の太陽赤緯は+21[°]57[‘]37[“]とする(1[°]=60[‘]=3,600[”])。

 

解説

では解説です。問題2は問題1で求めた答えを使います。まずはじめに太陽高度hから計算していきましょう。太陽高度hは下の式で算出されるのでした。

太陽高度hの計算式

sinh = sinφ sinδ + cosφ cosδ cost

(h:太陽高度[°]、φ:ある地点の緯度[°]、δ:太陽赤緯[°]、t:時角(真太陽時)[°])

東京都、6月1日の時角t = 5.35[°]

太陽赤緯δ =  +21[°]57[‘]37[“] = 21.96[°]

東京の緯度φ = 35[°]41[‘] = 35.68[°]

これらの値を使って計算しましょう。

 

sinh = sinφ sinδ + cosφ cosδ cost

= sin(35.68[°]) sin(21.96[°]) + cos(35.68[°]) cos(21.96[°]) cos(5.35[°])

= 0.968

よって、太陽高度h = arcsin(0.968)

= 75.51[°]

 

次に太陽方位角Aを計算します。太陽方位角Aは下の式にて計算されます。

太陽方位角Aの計算式

sinA = cosδ sint / cosh

cosA = (sinh sinδ – sinδ) / cosh cosδ

(A:太陽方位角[°]、h:太陽高度[°]、φ:ある地点の緯度[°]、δ:太陽赤緯[°]、t:時角(真太陽時)[°])

太陽方位角では太陽が東西南北どこにあるかを調べる必要があります。その際にsinAとcosAをどちらも求めて、それらの符号を確かめる必要があります。太陽方位角Aの東西南北と、sinA、cosAの符号の関係は下の画像で調べることができます。

image

 

それでは実際に太陽方位角Aを計算していきます。

東京都、6月1日の時角t = 5.35[°]

太陽赤緯δ =  +21[°]57[‘]37[“] = 21.96[°]

東京の緯度φ = 35[°]41[‘] = 35.68[°]

6月1日、東京の太陽高度h = 75.51[°]

sinh = 0.968

これらの値を使います。

 

sinA = cosδ sint / cosh

= cos(21.96[°]) sin(35.68[°]) / cos(75.51[°])

= 0.345 > 0

arcsin(o.345) = 20.21[°]

 

cosA = (sinh sinδ – sinδ) / cosh cosδ

= {0.968 × sin(35.68[°]) – sin(21.96[°])} / cos(75.51[°])×cos(35.68[°])

= 0.938 > 0

arccos(0.938) = 20.21[°]

sinA>0、cosA>0でしたので、下の表により太陽方位角Aは真南より西へ20.21[°]です。

image

 

解答

太陽高度:75.51[°]

太陽方位角A:真南より西へ20.21[°]

 

まとめ

この記事では真太陽時や時角、それから太陽位置(太陽高度・太陽方位角)を求める問題を紹介しました。問題1では時間に関する問題でしたが、時間の足し算や引き算は地味に難しいので、何度か計算をして慣れておくことをオススメします。

また、太陽位置に関してですが、太陽方位角は角度を求めても東西南北のどこからどこへ角度を為しているかを考えなければなりません。ここら辺もやはり慣れが必要となってくるので、ぜひこの記事を復習して理解を深めてくださいね。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。