この記事では太陽位置図による日昇・日没時間と日照・日陰時間の求め方について解説していきます。

日照・日没時間とはその名の通り日が昇る時間、日が沈む時間のことです。

日照・日陰時間とは、建物の日が当たる時間、建物が日陰の時間のことです。こちらは太陽位置図を使うことによって、例えば「建物の南面の日照時間は何時から何時までか」というようなものを求めることができます。

 

太陽位置図の基本的な読み方に関しては、以前まとめた記事がありますので、そちらを参照してください。

太陽位置図の読み方・書き方について!夏至や冬至の太陽高度についても解説

それでは内容に入っていきましょう。

 

太陽位置図と日昇・日没時間

太陽位置図から日照時間、日没時間を求めるのは非常に簡単です。まずはじめに下の図をご覧ください。

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こちらは北緯35[°]の太陽位置図になります。北緯35[°]はおおよそ日本の東京都がある緯度です。日本ではこの緯度で出題されることが多いので、こちらの太陽位置図をもとに解説していきます。

上の画像は高画質でアップロードしていますから、自由にダウンロードして利用してくださいね。

 

太陽位置図と日昇時間の求め方

まず始めに日昇時間の求め方から紹介していきましょう。北緯35[°]で冬至の時の日昇時間を求めるときは、

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図の青丸から太陽は登ります。この時の時刻は時刻の曲線を辿って考えますから、

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上の図の青線よりも少し前の時刻に太陽は昇ると考えることができます。時刻でいうと、冬至では7:10ごろに太陽は昇ります。

 

太陽位置図と日没時間の求め方

では次に日没時間を考えましょう。日没時間は夏至を想定して解説します。夏至の日没時間は、

上の図の位置で太陽が沈むことがわかります。こちらの時刻はおおよそ19:10だと読み取ることができます。

 

太陽位置図はこのように太陽の位置を平面で考えますので、日昇時間や日没時間を一つの図から読み取ることができます。日照時間・日没時間に関しては、覚えてしまうことをお勧めします。特に春分・夏至・秋分・冬至の日昇・日陰時間は環境工学で出題されることも多いですので、覚えてしまいましょう。

日昇時間 日没時間
夏至 4:50 19:10
春分・秋分 6:00 18:00
冬至 7:10 16:50



 

太陽位置図と日照・日陰時間

次に太陽位置図から日照時間と日陰時間の求め方を解説していきます。こちらはよく問題としても出題されますから、ぜひ理解を深めてくださいね。

 

太陽位置図の日照時間の求め方

日照時間は実際に問題を解くかたちで解説をした方がわかりやすいので、問題をときながら紹介していきます。

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上のような図の北緯35[°]にある建物の南面の、夏至における日照時間を求めましょう。夏至なので、太陽の軌道は太陽位置図の下のようなものになります。太陽位置図に求めたい建物を中心において考えます。

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そして、南面が太陽を当たるのは、太陽が下の範囲にある時です。

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調べたいある地点はいつも太陽位置図の中心において考えますから、調べたい建物の南面の日照時間は、太陽が南側にある時を考えれば良いわけです。太陽が上のオレンジ色範囲にある時間は、

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上の図のようになります。建物の南面が日照するのは、太陽が南側にある時ですから、上の図により日照時間は8:40~15:40の7時間であることがわかります。太陽位置図による日照時間はこのように計算をします。次に日陰時間を求めていきましょう。



 

太陽位置図の日陰時間の求め方

次に日陰時間を求めます。日陰時間も基本的には日照時間と考え方が同じです。日陰になるということは、南面の日陰時間を求める場合は太陽が北側にある時を求めれば良いわけです。先ほどと同じように夏至の日陰時間を求めましょう。夏至の太陽の軌道は下の図です。

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赤線が夏至の時の軌道です。建物の南面の日陰時間は、太陽が北側にある時を考えれば良いわけですから、下の図の範囲に太陽がある時を考えます。

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上の青色の範囲にある太陽の時間帯を図の上に書き込むと、

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図の赤矢印線部分が太陽が北側にあるときです。夏至の日照時間は4:50、日没時間は19:10ですから、上の図より太陽が北側にある時間は、4:50~8:40と15:40~19:10の総7時間20分が日陰時間になります。

 

日照時間も日陰時間も考え方は同じです。違うのは調べたい面と太陽の位置関係です。太陽位置図で軌道を読み取ることで、日照時間と日陰時間も求めることができるので、この考え方はぜひマスターしてください。

 

まとめ

今回は太陽位置図を用いた日昇・日没時間の求め方と、それを応用した日照・日陰時間の求め方に関して紹介しました。この太陽位置図の使い方は環境工学の光分野で重宝しますから、是非記事を何度も読み返しながら理解を深めてくださいね。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。