この記事では、太陽位置図の読み方や書き方について紹介します。

環境工学において、太陽位置図は太陽の位置を知るための基礎的な図形となります。これを知るだけで、ある地点の日照時間や日陰時間を用意に読み取ることができますが、初めて太陽位置図に出会った人には少し難しく感じるかもしれません。

この記事では初心者の方でもわかりやすいよう、丁寧に解説をしていますので、一読していただきぜひ太陽位置図の知識を身につけてください。それでは早速内容に入っていきます。

 

太陽位置図の読み方

太陽位置図の読み方から紹介していきます。北緯35[°]の太陽位置図は以下のような図になります。

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北緯35[°]はおおよそ東京都がある緯度です。大学の試験問題などでは東京都の太陽位置図に関する問題がよく出題されますから、この図を元に解説をしていきましょう。こちらは高画質で作成していますので、ぜひダウンロードをしてスマートフォンなどで活用をしてください。

太陽位置図は、この場合は北緯35[°]上のある地点を図の中心において考えます。読み方は色々な変数が存在しますから、それらを追って説明しましょう。

 

 

太陽位置図の読み方:夏至と春分・秋分、冬至

太陽の軌道は地球を主観として、夏至と春分・秋分、冬至などの季節によって大きく変わります。これは地球が太陽の周りを好転しているからです。この部分は中学校などの理科の地学、天体の授業でも習った人が多いでしょう。

季節によって大きく変わる太陽の軌道は太陽位置図にも反映されています。下の図をご覧ください。

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図の水色線が太陽の軌道になります。例えば北緯35[°]上のある地点を図の中心に置き調べたい季節が当時の場合は、上の図の青線上を太陽が通るということになります。最初は『冬至』と書いてある円の左下部分から太陽が昇り、青線を通って反対側に太陽が沈みます。太陽位置図はこのように読んでいきます。

 

もし夏至の太陽の軌道を調べたい場合は、

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図の赤線が太陽の軌道となるということです。夏至は太陽が北東から昇り、北西に沈むことが太陽位置図から読み取ることができます。

 

春分・秋分の太陽の軌道を知りたい場合は、

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図の黄色線が太陽の軌道です。春分・秋分は太陽が真東から昇り、真西に沈みます。

春分から夏至に向かうにつれて、太陽の軌道は太陽位置図で上へと移動していきます。夏至から当時に向かうにつれて、軌道はだんだんと下がっていきます。

季節によって太陽位置図上の太陽の軌道はこのように読む取ることができます。

 

 

太陽位置図の読み方:太陽高度について

太陽位置図では、ある時間帯の太陽の方角と高度を読み取ることができます。読み方を説明する前に、太陽高度について説明しましょう。

太陽高度とは?

太陽高度とは、ある地点でのある時刻での太陽の位置のある点を中心とする角度です。下の図をご覧ください。

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例えばある地点の夏至の南中時(12時)の時の太陽高度は図のhsであり、冬至の場合はhwになります。

夏至の方が太陽の軌道が高いので、それだけ太陽高度も高く、冬至は太陽高度が他の季節と比べて低いのが特徴です。ある地点をどこにとるかによってこれらの太陽高度は変わりますが、日本の場合は上の図を覚えておけば問題ありません。



 

上で説明した太陽高度を、太陽位置図から求めることができます。太陽高度の読み方を紹介していきましょう。下の図をご覧ください。

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図の水色線が太陽高度を求めるための線です。

例えば太陽の冬至の南中時の高度を求める時は、下の青点を基準に考えます。

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青点は水色線を辿っていくと、33[°]ほどの太陽高度であることがわかります。このように太陽一途では、太陽の軌道を基準にしつつ、太陽高度を求めることができます。

 

では、夏至の午前10時頃の太陽高度を求めるときは、

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図の赤点を考えますから、太陽高度がおよそ62[°]であることがわかります。



 

太陽位置図の書き方について

太陽位置図の読み方がわかれば、太陽位置図を書くのは容易です。太陽位置図から読み取れるのは、

  • 季節毎の太陽の軌道
  • ある時刻での太陽高度

大まかに分けるとこれらです。他にも太陽位置図を応用して読み取ることで、

  • 日昇・日没時刻
  • 日照・日陰時間

のようなものまでわかります。

今回の記事では太陽位置図の基本的なものを紹介しましたが、日昇・日没時間、日照・日陰時間などは下の記事で紹介します。気になる方はリンクから確認してください。

 

「太陽位置図を書きなさい」というような問題では、この記事で紹介した太陽位置図のような細かい図を書く必要はありません。主要な情報である『夏至、春分・秋分、冬至の太陽の大まかな軌道』、『太陽高度を調べるための線』を書けばおおよそ太陽位置図として使うことができますので、それらを暗記しましょう。太陽位置図をかけるようになるには、太陽位置図を何度も読み込み、手を動かすことが重要です。ぜひこの記事を活用して、太陽一途に関して慣れていってください。

 

 

まとめ

この記事では太陽位置図の基本を紹介しました。太陽位置図は最初はとっつきにくいですが、慣れてくると驚くように便利な情報を読み取ることができます。太陽位置図を何度も読んでいれば、その地かけるようにもなっているはずですので、何度も復習をして覚えていってくださいね。

また、太陽位置図の応用的な使い方に関しては、下の記事で紹介しています。ある程度基本的な内容に慣れてきたら、ぜひ確認してみてください。

 

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。