こちらの記事では、音波の有する特徴・性質についてまとめています。

音波は波ですので、波の性質を知ることは音波について知ることと同じです。波の性質と音波の特徴を絡めながら解説をしていきます。

 

音波の有する特徴・性質

音波は波です。よって、以下のような波としての特徴・性質を有しています。

  1. 反射
  2. 屈折
  3. 干渉
  4. 回折
  5. ドップラー効果
  6. 重ね合わせの原理

それぞれについて詳細に見ていきましょう。

 

音波の性質:反射と屈折

sound_wave_refraction

音波は波なので、反射と屈折の性質をもちます。伝搬速度が異なる2種類の媒質が接している面に斜めに音波が入射するとき、一部は反射し、一部はスネルの法則に従って屈折します。また、同じ媒質内でも温度差が生じている場合、音波は屈折します。

スネルの法則とは

sinθ2 / sinθ1 = v2 / v1

(θ2 : 屈折角, θ1 : 入射角, v2 : 媒質2中の伝搬速度, v1 : 媒質1中の伝搬速度)

スネルの法則とは、波動が2種類媒質間の境界に入射した場合の入射角と屈折角、さらに媒質の屈折率の関係を示す法則のことです。上記の音波の反射と屈折を示す図では、上の公式のような関係が成り立ちます。

 

音波は同じ媒質内でも温度差が生じていると、それだけで屈折します。最初に、地表付近が高温な場合です。

sound_wave_refraction2

例えば、夏の昼間のような地表付近が高温な場合、音波は屈折し音の影を作りやすいという特徴があります。音の影とは、音波が到達しない域のことを指します。

次に地表付近が低温の場合です。

sound_wave_refraction3

冬の夜間のような地表付近が低音の場合は、遠くの音がよく聞こえるという特徴があります。冬の夜間などに電車の走る音や消防車のサイレンの音が聞こえるという経験をしたことがありませんか?そのような現象が起こるのは、空気の温度差と音波の屈折が影響しているためです。

音波の性質:干渉

次に音波の有する干渉という性質についてです。干渉とは、1つの点に同時に2つ以上の波が到達した時、その重なり方によって波動が強め合ったり弱めあったりする波動の現象のことを指します。波が重なり合った位置で両波の位相が等しい時は最も強め合い、両波の位相がπだけズレている時、最も弱め合います。

音波も波ですので、この干渉の性質を有します。音波の干渉を応用した技術として、雑音低減技術であるアクティブノイズコントロールがあります。こちらの技術は、イヤホンやヘッドホンのノイズキャンセル制御であったり、ダクト内の騒音制御などに使用されています。

 

音波の性質:回折

sound_wave_diffraction

回折とは、障害物の背後に波が回り込む性質のことです。回折のしやすさは、波長に依存します。

一般的には波長が長いほど回折しやすくなります。これを言い換えれば、周波数が小さいほど回折しやすいことになります。

音波の性質:ドップラー効果

ドップラー効果とは、音の発生源(音源)が近づく場合には波の振動が詰められることによって周波数が高く(音が高く)なり、逆に徐々に遠ざかる場合は振動が伸ばされ周波数が低く(音が低く)なる現象のことです。

身近に存在するドップラー効果の例としては、パトカーや救急車のサイレン音や、急行電車の駅を通過する音などがあります。

 

音波の性質:重ね合わせの原理

sound_wave_superposition

互いに逆向きに進んできた波が出会う時、波は互いに影響を受けることなく相手をすり抜けて進んでいきます。このような性質は波の独立性と言われます。この性質が働かなかった場合、人は同時に話すことができません。

 

 

まとめ

こちらの記事では、音波の性質や特徴についていくつか解説しました。音波は波ですので、波の性質をよく理解しておくと音波についても理解が深まります。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。