この記事では建築環境工学の指標である光度と輝度について紹介します。

光の概念を建築の設計に取り組むためにこれらの概念は確立されています。光度と輝度の概念を理解して、ぜひ設計や計算問題に取り組んでください。

光環境の概念としては、ほかに光束や照度、光束発散度などがあります。これらについてまとめている記事がありますので、気になる方は確認しましょう。特に光束については、今回紹介する光度や輝度にも密接に関係していますので、まだ理解が進んでいない方は読んでいただくことをお勧めします。

光束の求め方と定義・公式 可視域と波長の関係(視感度曲線)について

照度の定義と光度との関係、光束発散度の公式と求め方について

それでは内容に入っていきましょう。

 

光度Iの定義と求め方、単位について

まずはじめに光度の定義と求め方について紹介しましょう。光度とは光源の明るさを表す測光量の一つです。点光源とみなすことができる微小高原から、ある方向の単位立体角ω厨二放射される光束Fの密度のことを光度Iと言います。光度を数式で表すと、下のようなものになります。

光度Iの定義

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I = dF / dω

(I:光度[cd]、F:光束[lm]、ω:立体角[sr])

ここで、立体角という概念について補足をしておきましょう。

立体角とは

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立体角の定義は以下の通りです。

ω = S / r²

半径rの球面状の面積をSとしています。立体角はラジアン(θ=l/r)の次元が増えたものと捉えるとイメージがしやすいのではないでしょうか。



 

輝度とは?高度との関係について

次に輝度の解説をしていきましょう。光源面、透過面あるいは反射めんのある方向から見たときの明るさを表す量を輝度Lと言います。輝度Lとは、調べたい方向において光源面からどれだけの光束(単位面積当たり)が届いているかです。図と定義を示すと下のようになります。

輝度の定義

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Lθ = dIθ / dS cosθ

(Lθ:仰角θでの輝度[cd/m²]、Iθ:光源面との法線とのなす角度がθの方向への光度[cd])

光度の単位を[cd]、面積の単位は[m²]ですので、輝度の単位は[cd/m²]となります。あるいは[nt(ニト)]と言うこともあります。輝度は調べたい角度での単位面積当たりの光度であることを覚えておきましょう。輝度と光度にはこのような関係があります。

 

 

まとめ

この記事では光度と輝度について紹介しました。それぞれ光の概念を取り扱ったものを紹介しましたが、大学の試験などで問われることがありますので、定義をしっかり理解しておきましょう。

光度は単位立体角当たりの光束量、輝度は求めたい角度における単位正射影面積当たりの光度でした。何度か記事を読み返してマスターしてくださいね。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。