こちらの記事では音の心理効果についてまとめています。代表的な心理効果である、マスキング効果・カクテルパーティ効果・両耳効果・先行音効果について解説していきます。
マスキング効果
マスキング効果とは、ある音が別の音の存在にょって聞き取りにくくなる現象のことです。マスキング効果をうまく利用している例として、BGM・サウンドマスキングシステム・トイレ用擬音装置などが挙げられます。
マスキング効果にもいくつか種類があります。ここでは、それらについて解説していきます。
マスキング効果:同時マスキング
同時マスキングは、同時に存在する音同士の干渉にうおって発生する現象です。聞くべき音(信号音)と、聞こえにくくする音(妨害音)の周波数が大きいほど同時マスキングの効果は大きくなります。
マスキング効果:巡行性マスキング
巡行性マスキングは、前に出た音が後に出た音を聞こえにくくする現象です。
マスキング効果:逆行性マスキング
逆行性マスキングは巡行性マスキングの逆で、後に出た音が前に出た音を聞こえにくくする現象です。これは強い音を聞いた時に感じる神経インパルスの伝達速度が前に聞いた小さい音の神経インパルスよりも早いために生じます。
カクテルパーティ効果
カクテルパーティ効果とは、意識の集中によって、聞きたい音が聞こえてくる効果のことです。マスキング効果が働きやすいような騒がしい空間においても、意識を集中させることによって(=選択的注意)によって聞きたい音が聞こえてくる効果です。
カクテルパーティ効果がプラスに働いている事例として、協奏曲のソロ演奏を聞き取ることができるなどがあります。逆にマイナスに働いてしまっている事例としては、些細な騒音が過剰に気になってしまうこと(近隣騒音問題)などがあります。
両耳効果
両耳効果とは、音の方向(空間的)・空間的広がりを感じる効果です。人間は音の方向を、2つの耳を巧みに利用して判断しています。水平面内の音がどこから聞こえるかは、時間差と強度差で判断しています。
上の図にあるように、音が2つの耳に届く時の時間差と強度差が方向感覚を決めています。この効果を両耳効果を言います。
前後や上下方向の音の方向は、周波数スペクトルの微妙の違いに基づいて判断しています。
先行音効果
先行音効果とは、心理音響効果の一つで最初に到来した音の方向が音源の方向として認識される現象のことです。違う方向から全く違う音が聞こえ、その片方に遅延がある場合、先に耳に届く音の方向からの1つの音に聞こえることを指します。
この効果は、数ミリ秒程度の遅延がある場合に発生し、時間差が50ミリ秒程度になると異なる2つの音として認識されます。
先行音効果を積極的に利用して、電気音響設備の設計が行われています。
まとめ
今回の記事では音の心理効果についてまとめました。代表的なマスキング効果・カクテルパーティ効果・両耳効果・先行音効果を解説しました。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。