この記事では相対湿度と(重量・容積)絶対湿度の違いや換算・計算方法について紹介しています。

中学生の数学や理科で計算した湿度の問題は相対湿度で計算をすることが多いです。しかし湿度の概念には他にも考え方が存在します。この記事では他の湿度の考え方や、それぞれの換算計算方法についてまとめました。それでは内容に入っていきましょう。

相対湿度とは?

相対湿度とは、中学の算数・理科でも計算をしたように、水蒸気量/飽和水蒸気量で計算される湿度の概念です。正確にはこの公式とは異なっていますが、基本的に相対湿度は中学で計算したやり方と変わりません。

飽和状態の湿り空気の水蒸気圧fを飽和水蒸気圧fsと言います。そしてそのときの温度を飽和温度と言います。飽和水蒸気圧(および飽和水蒸気量)は温度が高いほど高くなるのが特徴です。温度100[℃]のときの飽和水蒸気圧は大気圧とほぼ等しく、101,325[Pa]となります。それ以上温度が高くなると、空気の分子が水蒸気に追い出されることになります。

水蒸気分圧とは?

上で水蒸気分圧という単語が出てきたので、ここで復習をしておきましょう。

大気は様々な気体が混ざってできていますが、水蒸気分圧は大気圧の中でも水蒸気から発生する圧力のことです。水蒸気が飽和しているときの水蒸気の圧力のことは飽和水蒸気圧と言います。

相対湿度の計算式は下の通りになります。下の式で相対湿度と絶対湿度の換算もすることができます。

相対湿度の計算方法

φR = 100 × f/fs = 100 × σ/σs

R:相対湿度[%]、f:水蒸気分圧[Pa]、fs:ある温度における飽和水蒸気圧[Pa]、σ:容積絶対湿度[g/m³]、σs:飽和時の容積絶対湿度[g/m³])

上で出てきた容積絶対湿度については下で解説をしましょう。

(容積・重量)絶対湿度とは?

ここでは絶対湿度について解説をしていきます。

容積絶対湿度について

容積絶対湿度とは、空気1[m³]中の水蒸気量のことです。一般的に”σ”で表し、単位は[g/m³][kg/m³]などです。建築環境工学では、換気や結露の計算をするときなどに使われる概念です。

容積絶対湿度の計算式は以下の通りです。

容積絶対湿度の計算式

σ = 2.167 × f/T

(σ:容積絶対湿度[g/m³]、f:水蒸気分圧[Pa]、T:空気の絶対温度[K])

重量絶対湿度について

次に重量絶対湿度についてです。重量絶対湿度とは、ある空気(=湿り空気)1[kg]中の乾き空気と水蒸気量の比を指します。重量絶対湿度は一般的に”x”で表され、空気調和設備の設計時に使用されることが多い指標です。

重量絶対湿度xは以下の式で算出されます。

重量絶対湿度の計算式

x = 0.622 × f / (P – f)

(x:重量絶対湿度[kg/kg’]、f:水蒸気分圧[Pa]、P:大気圧[Pa]=101,325[Pa])

相対湿度と絶対湿度の違い・換算について

絶対湿度と相対湿度の違いは、空気1[kg]、1[m³]で考えるか、飽和水蒸気分圧で考えるかの違いです。一般的に湿度といえば相対湿度のことを指しますが、こちらは水蒸気分圧を飽和水蒸気分圧で割ったものでした。

それに対し絶対湿度は、空気1[kg]、1[m³]中に含まれる水蒸気分圧を考えます。相対湿度と絶対湿度の換算式は、上で紹介した計算式にて算出することができます。

まとめ

今回は湿度の概念である相対湿度と絶対湿度について解説をしました。相対湿度は中学で計算したもののことであり、水蒸気分圧(水蒸気量)を飽和水蒸気圧(飽和水蒸気量)で割って計算をするものでした。

絶対湿度には考え方が2つ存在します。

  • 容積絶対湿度:空気1[m³]中の水蒸気分圧で計算
  • 重量絶対湿度:空気1[kg]中の水蒸気分圧で計算

それぞれの特徴を整理して覚えるようにしましょう。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。